ハンコ文化をなくすとは

ハンコなくなるの?

ハンコをなくすそうです。なんか話題になっています。語ってみましょう。

どんなときに誰がハンコ押す?

ワタシの一例を書いてみます。例によって虚構と現実の区別がついていないこともありますので、注意しましょう。

例えば、工程の何かをどうにか変更したいとします。上手くいけばいろいろ効率良くなるのでみんなハッピーです。さてどうする。

0. 収集、解析、実験、考察、など

まずワタシ自身が上手くいくと思わないといけません。
今あるデータ収集して解析し、データが足りなければ時に実験を行い、実験を行えないような場合は想像力を働かせ、考えて考えて考えぬいた結果、限りなく100%に近い確率で上手くいくと確信します。やった、これでみんなハッピーだ。

1. 書類作成

ワタシ一人でガッツポーズ決めたところで何も進みません。ドキュメントを作らないと。
何事も変更するにはそれなりにリスクがあります。可能な限りリスクヘッジしたうえで効果を得るために実行するのだ、ということをロジックで語ることが出来ねばなりません。ロジックがあればみなさん納得していただけるでしょう。そしてそのロジックは、後世に残さねばなりません。そのために、ドキュメントを作ります。将来、ワタシではない誰かが参照したくなる時もあるかもしれないのですから。
そのドキュメントはすなわちワタシの実績そのものといって良いでしょう。
ほら、フォーマット上部に並ぶハンコ欄の多さにも納得できましたね。
書類が完成したら、まずは自分のハンコを押します。

2. 直属の上司にハンコ押してもらう

まあ押してくれますよね。何だったら検討初期から一緒にやってたりしますから。頑張れよ、の意も込もっています。さあ次からが戦いだ。いざ。

3. 関係部署の責任者にハンコを押してもらう

変更の恩恵に預かるのも、はたまた被害に遭うのも、自分だけではありません。関係する部署の責任者にドキュメントを持って訪れ、丁寧に説明します。なかなか納得していただけないこともありますが、根気強くいくしかありません。
中にはボス感溢れる人もいます。準備を怠ると返り討ちです。しかし、こちらも諦めずにハンコを頂くのです。

4. 関係部署を統括する責任者に捺印をもらう

ラスボスですね。時と場合と人によりますが、初見ノーコンクリアは限りなく不可能に近いときもあります。現場からの叩き上げだったりすると特に。しかし負けてはいけません。やはり丁寧に、必要であれば新しいデータを取り直してでも、ハンコを頂くのです。

5. さらに上位へ

すでに実務のトップのハンコはもらっています。ですのでハンコ欄があとどれだけ残っていても、ワタシの手はもう離れたも同然です。最終承認者のハンコがいつの間にか押され、ワタシの席にドキュメントは帰ってきます。イベントバトルみたいなものですね。ほっといてもストーリーは進行します。

ハンコ文化とは

『ハンコ文化』と言っちゃうと、なんかセレモニー感出てきますが、中身は要は承認プロセスです。ドキュメントをエビデンスたらしめるのが責任者の承認であるとすれば、ハンコ押印は極めて実務的なプロセスと言えます。
承認プロセスの見直しは常に必要です。だいたい、ハンコ欄というものは、増えることはよくありますが、減ることは稀です。増える時は当然理由があって増えます。しかし、環境が変わっても増えたものを減らそうという発想には皆さんなりにくいようです。この文化が良くないなあ、と思う次第です。
イベントバトルって何回も繰り返したら形骸化しちゃうもんね。

電子承認はウェルカム

ハンコのために出社するなど愚の骨頂。感染拡大防止もあるし、テレワークできる環境構築は必要ですから。そんなことでもない限りハンコがなくならないということが、そもそもおかしい。
ただ、ハンコというのはかなり便利なものだとも思います。だから押す人が簡単に増えていくんだろうな…。
電子承認への移行を機に、せっかくだから承認プロセスに無駄がないかも見直して行ってほしいね。

まとめ

最近、ワタシの職場でも電子承認導入の議論がなされています。
ただ、実現したとしても、ハンコ欄が電子承認欄に変わるだけで、中身変わらない気がしていて、結構ドキドキしてます。 せめて、承認者欄は、増やしにくく減らしやすい設計にしてくれないかな…。