ご飯論法

新人に毛が生えた頃に、肩書きだけでなく名実ともに偉い方々に向けてプレゼンしたとき、質疑の際に発せられる質問の意味が分からなくて、なんとなく自分の知っていることを捲し立てていました。ひょっとしたら、意味がわからないと言う意識すら、ワタシには無かったかもしれません。

ペーペーが意識せずにやったらただの若気の至りですが(そう思わないと今となってはやりきれない)、偉い人がワザとやったら『ご飯論法』と呼ばれます。森友学園問題の時にでてきた言葉です。流行語大賞にノミネートされるくらい、瞬く間に有名になったワードです。国会関係のニュースとか見てると、『論点ずらしのプロ』みたいな人もいますね。誰とは言いませんが。一朝一夕でできる芸当ではないと思います。新人の頃からその道に邁進してきた結果でしょうか。
よく『言葉の芸術』なんて言いますが、芸術と遊びは紙一重ということでしょうか。きっと違うと思います。

正論を言われ、言い返すロジックを持たない時、実際に何を言うかは様々でしょうけど、大事なことは『素直さ』ですね。監視の目がないと素直になれないどころか、監視の目があるからこそ狡猾になるという、まあなんというか、監視する方が甘いのか、監視される方が救えないのか…。

ちなみに冒頭で質問の意味を読めない新人だったワタクシですが、未だに分からない時は分かりません。最近は年取った偉い人ばかりでなく、自分よりいくらか若い部下からの質問にもタジタジすることあり。これはこれで救えないかも…。今からでもご飯論法の名手を目指すか…。