伊坂幸太郎『火星に住むつもりかい?』感想

2020/10/13 読了。
伊坂幸太郎さんの小説については本書に限らず、セリフの言い回しが独特、地の文が洒落てる、タイトルが意味深、と、そりゃあ人気も出ますよね。本書は伊坂幸太郎さんの第何作目なんでしょうか。常に新刊が出ていてとてもおいつけません。
「平和警察」という、魔女狩りを現代に蘇らせたとしか思えない制度が存在する世界が舞台です。「平和警察」があるが故、犯罪が少ない「平和」な世界。しかしそんな「平和警察」に抵抗する者が現れて…。
前半は、「正義の味方」が「悪の組織」をこらしめようとするる話、しかし後半はそこからさらに発展して、「正義の味方のジレンマ」ともいうべき問題が描かれているように感じました。
伊坂幸太郎さんらしいどんでん返しもあり、大変面白語ったです。

伊坂幸太郎さんの物語って、本当にもうどうしょうもないくらい救えない悪人が登場します。やることも考えることも鬼畜。そんな悪人がやられるサマを見るのは、お決まりとはいえ爽快な気分になれます。
一方で、伊坂幸太郎さんの本を最後まで読み切れるかどうか、というのは、作中に登場するこのような悪人の方がたを、ワタシ自身がどのように消化するか、によります。
登場する悪人の行いにリアリティを感じてしまい、読み進めることができなくなってしまったことが一回ありました。
他の作家さんではあまりないので、作者と読者の相性の問題でしょうか。
という意味でも個人的には読み始めるまでのハードルが高い作家さんです。読み始めたら転がり落ちるように読了しますが。
すでに次の伊坂幸太郎作品もワタシのキンドル内で準備万端です。