『職業エンジニア』とは何か

気になる言葉

このインターネットの中では日々大量のテキストが生み出されているようです。
到底全部は読めませんが、ちょっとでも興味がそそられるものは積極的に読みに行ってます。最近は特に。
タイトルだけでは何が書かれてるか全く分からないし、どうせ消化しきれないなら最初から触れずにいる、というのが精神衛生上たいへんよろしいわけですが、やはりそこは人間、触っちゃいますよね。気になるもんね。
で、今日も今日とてポチポチとテキストの海を優雅に泳いでいたところ、ちょっと引っかかりました。
『職業エンジニア』という言葉。

『職業』+『エンジニア』=『職業エンジニア』?

この微妙な引っかかり。ナチュラルな違和感。流し読みして気にしなければなにも感じなかったかも。ひょっとして自分だけなのかな。
『オレでなければ見逃しちゃうね』て言いたくなる感じ?
噛めば噛むほど味がでそうなワードだと思います。

違和感の正体

なぜ違和感を感じるかといえば、『エンジニア』という言葉自体が、職業を指すものである、とワタシが認識しているからに他なりません。『職業エンジニア』なんて言われると『頭痛が痛い』に通ずる間違いを感じてしまうのです。

ちっとだけ深堀り

そもそも『〇〇エンジニア』の〇〇に何が入るかといえば、システム、プラント、セールス、ネットワーク、などなどいっぱいあります。
そして『エンジニア』の定義とは、その専門領域の知見を駆使して問題解決を生業とする人、としましょう。大きくは外していないはず。
では『職業エンジニア』の反対は何かというと、…『趣味エンジニア』かな…。職業エンジニアが対価をもらって問題解決するのに対して、趣味エンジニアは趣味の範疇で問題解決するわけか。
そんな奴いるか?なんて考えてはいけない。
『趣味エンジニア』の方々は、「いつか好きなエンジニアリングでお金をもらえるようになるんだ」とか思って『職業エンジニア』を目指したり、「やっぱりエンジニアは趣味に留めておかないと」と思って日夜問題解決に取り組んでいるわけです。そうだ。そうに違いない。
とはいえ例えば、『趣味プラントエンジニア』は趣味の規模が大きすぎてたいへんお金がかかるため人を選びそう。『趣味セールスエンジニア』は対価を求めないコンサルみたいなものか。見方によっては聖人だな。
『趣味ネットワークエンジニア』とかは分からんでもない、て感じ?あと、エンジニアとはつかないけど『趣味プログラマ』は今でも市民権を得ている気もする。やっぱり趣味エンジニアリングはハードよりソフトに限るね。

『職業エンジニア』という言葉の誕生にみる、昨今の社会について

  • 『好きな事を仕事にして生きていく』という機運が醸成されている
  • 『エンジニア=コードを書く人』という認識が多数派となっている

このような背景から生み出された言葉であると思いました。コードを書かないエンジニアとしてサラリーをもらっている身としては、隔世の感が御座います。