一人でなんでもやる人になりたい

以下、ワタシの観測範囲の話なので、一般的かどうかは保証し兼ねます。なんて言ってしまえばこのブログに書いてることすべて同じですが。

製造工場のインフラ担当者はやはりどうしても、製造プロセスや設計の担当者よりも軽めに見られがちです。「軽め」というのは、人を充ててもらえない、お金を充ててもらえない、そのあたりの優先度が下がりがち、ということです。電気水道ガスはまさにですし、情報インフラもそうです。
「あって当たり前と思われてる」「モノづくりのノウハウがそこにはないと思われている」「だから誰でもできる(代替えがきく)と思われている」などが理由です。(当たっている側面もあるし外れている側面もあります)
ですので、あんまり自社のエンジニアを育てようという考え方はなくて、どうしてもアウトソーシングに頼りがちになります。
アウトソーシングの良し悪しも語り出したらキリがないので多くは語りませんが、ひとつの側面として、「融通を利かせ難い」ことはあります。やりたいことが「現状維持」であれば特に問題はありません。決まった人件費を払って人を充てて、保守管理を行ってもらうだけです。
しかし、少しでも「新規」という概念があると途端に風向きが変わります。新しく人を充てたりテストをしたりする必要が出てきて、コストが跳ね上がります。
電気水道ガスはもちろんですが、最近だと情報系ですね。ビッグデータだIoTだといわれながら新しいテクノロジーの導入を急ぐわけですが、得られたデータをどこかの時点で工場内の情報インフラのシステムに渡さざるを得ない(コスト的にそれしか有り得ない)場面になることがあります。自社でインフラ賄っていればなんの問題もない事でも、外注しないといけなくなると途端に時間がかかってお金もかかるわけです。その上出来上がったものはこちらからはブラックボックスになってたりして、実務担当としては「ばからしいな」と思ってしまいます。しかし、じゃあ自分でできるかというと無理だし、社内に(能力的に)任せることができる人がいるかというと、もちろんません。そんな人を育てることにリソースは割かない、という決断をしてますからね。

まあ一例であって、いろんなパターンが有りえると思います。インフラ含めて自社内で完結させているところもあるでしょうし、アウトソーシングと一言でいってもどこまでを守備範囲とするかはいろんなパターンがあるし。また、巨大プラント系の業界だとまた別の文化があるかもしれません。いずれにせよ、何をもってコスト効果ありとするかは都度考える必要があります。

で。
仕事にこなれてくると、このようなもどかしさを感じる場面がたいへん多くなってきます。
これが趣味プロジェクトだったら、出来ないことを外注するというのは、最後の最後のどうしようもなくなってもう本当に無理、できない、でもやりたい、どうしてもだ、となったときだけです。普通は、いくらでも時間をかけてその技術を習得しようとするところです。
しかし、仕事となると圧倒的な存在感を放つ「納期」という概念が生まれますので、おいそれと「ワタシやります」なんて言えません。やはり外注というやり方にならざるを得ません。
お仕事なんだからそんなことで辟易してられないぜ、というのはごもっともなのですが、未だにイマイチ割り切れないのも事実ですね。ひとりでなんでもこなせる、スーパーマン的エンジニアになる夢が捨てきれないのでしょうかねえ。