フィクション

TITLE:ハッピーセット

マクドナルドでハッピーセットを買った。4人家族なのでハッピーセットを4セット買った。買っただけで幸せになれる気がするけれど、絶対に気のせいだと思っている。 ハッピーセットにはオマケでオモチャがついてくる。私はそう認識している。しかしこれは、オ…

TITLE:明けない夜

小説にできそうなひとネタを思いついた。 忘れないうちに触りだけ書いておこう。 道端で偶然、彼氏と別れた直後の人と出会い、瞬く間に意気投合した。初対面の人となんてたいへん珍しい。近場のドトールで時間を潰すことになった。相手はまだ情緒不安定なの…

TITLE:再会

ひょんなことから中学の同級生と再会した。 ここ数年一緒に仕事をしていた同僚が、共通の知人だった。出身地も年齢も違うのに、世間は狭い。ただ、その同級生は学生の頃から、世界中の誰とでも友達になれそうなやつだった。だから、どこかで「なるほどな」と…

TITLE:新常態のストレス

この状況下でも会社は研修に行けと言う。ずっと前から決まってはいたが、この感染症再流行の兆しの中でも予定通り行ってこい、と言うことらしい。 今回の研修は社外のもので、なおかつ主催が自治体なのだが、この状況下でも中止になることはなかった。ほぼ座…

TITLE:ツイートする世界

そのうちスマートグラスが一般的になったら、Twitterへの入力デバイスがキーボードからマイクになって、そうなったらもう本当にただの"つぶやき"もマイクは拾ってしまいます。それで、今とは比べ物にならないくらいのサーバー容量が確保されてますから、ただ…

TITLE:アフターブログ

ブログを書くようになって私は変わった。すっかり変わってしまった。きっともう戻れない。 職場が変わっても家族が変わっても感染症が流行っても、私自身がこんなに変わることはなかった。まさか自分がこのような状態になってしまうとは。甘く見ていた。もっ…

TITLE:未定

プロット その男が死んだのは、36歳になる誕生日のちょうど1週間前だった。 家族はいない。元いた会社の知人との交流も既になく、まさに天涯孤独であった。自殺していたのを発見されたのは、死の1週後である。 彼が世間に認知を広めたのは、その死から1年経…