大事な大事なヒューマンインタフェース

パソコンにしろスマホにしろ、「使いにくいな」「なんか惜しいな」と思うアプリに出くわすことは良くあります。だいたいの場合はインタフェースの作り込みがイマイチです。本当に優れたインタフェースに出会うことの方が稀ではないかと思うほどです。まあ、大した数を触っていないし、大した知見を持っているわけでもないので、ただオッサンがわがままを言ってるだけなのかもしれません。

とはいえ、インタフェースが良いと思えるものに出会うとなんだかテンションが上がるのも事実です。『UX(User eXperience)』というのは、概念を知っただけでは「ふうん…」くらいの感想しか抱けませんでしたが、本当に良いものに出会うと、『UX』の概念だけでも知っておいて良かったなと思えます。

お仕事で、大衆向けのものでは全然ない、ホントのホントにローカルでしか使わないような(でも一応不特定多数に使ってもらうことを前提としている)インタフェースですが、画面を設計した経験はあるし、画面にあわせて機能を実装したこともあります。作るということをやってみて体感したのもやはり、インタフェースの重要さです。不特定多数に使ってもらうことを前提としている場合、まずは使う人の立場に立って画面を作って、その後でいろんな機能を作り込んでいくのですが(あくまでもワタシの経験です)、たいていの場合、画面仕様が優れていると機能の実装もやりやすかったものです。充実した画面仕様書さえあれば、機能の仕様書なんてなくても実装できてしまう場合もあります。もちろん、分野によってはばらつきあるでしょうけど、所謂ヒューマンインタフェースにはそれくらい重きをおくべきである、とは承知しておかなくてはなりません。

ちょっとだけ話それますが、何をするにもオープンソース隆盛でいろんなことがフリーでできてしまう昨今のソフトウェア界隈において、安くはないお金を払ってソフトウェアパッケージを買う意義というのは、半分以上はUIを買っているのではないかと思っています。
逆にいうと、個人でしか使わないような、UIなんて別に気にしない場合は、多少は不便でも思い立ったらすぐ実装できてしまう世の中なわけで、ワタシのようなタイプにはたいへんありがたい方向に発展してくれたものです。(何様…)

昔は(今もそうですが)本当に無知で、人間は機械に合わせるべきだ、くらいに思っていて、モノづくりにおいても「ヒューマンインタフェース」については二の次三の次と思っていました。見た目よりも裏でどれだけ高尚なアルゴリズムが走っているかの方が大事だと思っていました。もちろん全て大事ですが、モノづくりの中では一番手を抜いてはいけないのがヒューマンインタフェースではなかろうか、と思っています。
大学生の時に、『人間工学』とか『マンマシンインタフェース』などの講義を履修していましたが、まったく重要視していませんでした。「こんなん勉強してもしょうがなくね?」なんて思っていました。本当に、自分のセンスの無さが悔やまれます。