RPA導入時のハードルについて

RPAの効果を謳う見出として『〇〇時間分の効果創出』とかたまに見ます。〇〇には結構おおきな数字が入ります。
ホワイトカラーの業務をプログラムロボットに置き換えようというのがRPAの狙いですから、きっと〇〇時間分のタスクをプログラムロボットの仕事に置き換えたものと思われます。
古典的な話だと思うのですが、1日8時間、週に5日、4週間分の仕事時間は160時間です。例えば新聞の見出しとかで、『A社 RPA導入で500時間の効果』とあった場合、RPAが約3人分の仕事をこなしていることになります。ではこの3人はどうしたの?会社辞めちゃったの?というとそんなことはあまりありません。個人的な体感ですが、RPAの運用メンテナンス要員が半分、残りの半分は何か新しいことを始める人たちといったところでしょうか。
大事なのは後者の方々で、カッコよくいうと、空いた時間で新たな価値を創出する人たちです。ここに無限の可能性があると言えます。
なのでRPAの効果って、何時間分の人間の仕事プログラムロボットにやらせました、という部分ばかり見出しになりますが、真の効果というのはその浮いた時間で何を生み出すかになるわけです。
RPAのツールとして何を使うかはいろんな考え方ありますが、世に出回ってる専用ツールは結構高いですよね。サブスク的な料金形態であることが多くて、使う以上は月々払いを続けることになります。
これまた厄介なのは、上記のような考え方でいく場合、RPA導入時にはその効果(アウトプット)を明確に数値で謳うことができない(ことが多い)ということです。決裁者に十分な判断材料を提供できないのです。決裁者が上記のロジックを理解できない場合、RPAの導入は頓挫しちゃうこともあります。
起案者の交渉力、決裁者の判断力が問われることになりますね。