『かもめのジョナサン』を再読した

初めて読んだのが高校生の時で、就職してすぐにまた読んで、今回が3回目です。3回も再読してるのって、これくらいな気がします。
何を書いてもネタバレのような気もするし、何を書いてもこの物語の本当の凄さを伝えることが出来ない気もします。
お話自体はまんが日本昔話にあってもおかしくない内容です。ファンタジーですね。
個人的なポイントは、主人公が人間ではなくかもめだということです。
すなわち、自分とは違う種類の生き物なので、必要以上に自分と重ねなくても良い、という良い意味での偏見、というか先入観があって、だからからこそ物語の内容がスッと入ってきました。ただ、そのために逆に、読後に思いのほか心を抉られる、というのが初読の時にワタシに起こったことだったと感じています。
短いお話ですが、必要最小限しか書いてないと言えるところもあって、まさに切れ味鋭い速球を投げ込まれたかのような読書体験でした。

再読は、初読のときのような感動はもうありませんが、初読のときの感動を思い出すだけで十分価値があると思っています。自分にも感受性が豊かだった時代もあるのどなあ、と。
多感な時期にほとんど何の前情報もなくこの物語に出会えたことは、今思えばかなり幸運なことだったと思います。

年の初めに昔読んで感動した本を再読するというのも良いものです。なんか、今年の正月は例年以上に節目的な気分が高まっております。
ブログやりはじめたからか?
感染症ニュースからの逃避か?
など、色々思うところも多いですね。うまく表現できませんが、おおむね良い傾向です。