エンジニアはモダンファーマーか

「エンジニアなんてモダンファーマーだよ」と言われたことがあります。言った人は、定年退職間近のある程度役職を登りきったエンジニアでした。
『モダンファーマー』を今検索すると、結果は韓流ドラマで埋め尽くされていますが、この場合はもちろん韓流ドラマのことではありません。
『資本主義社会ではほっといたら都市と農村では自ずと格差が生まれるものであり、だから再分配が必要云々』という文脈で用いられる『ファーマー』です。
「エンジニアなんてモダンファーマーだよ」は要は、「エンジニアなんて所詮搾取される側なんだよ」という意味です。
『都市と農村の非対称性』的な文脈に乗っけた場合、エンジニアから搾取されるのは一体何で、搾取するのはどのような属性の人々になるのでしょうか。考え出すと面白いかもしれませんが、気が滅入るのでオススメはできません。

定年間近のオッサンエンジニアに言われた時は、「おいおいオッサン、エンジニア出身でそこまで偉くなっておいてプライドとかないんかい」なんて思ったものです。
近年、自分がオッサンエンジニアになってしまいますと、なんだか結構わかりみが増してきたような気がしています。シチュエーションによっては「エンジニアなんてモダンファーマーだよ」なんて偉そうに言ってしまうかもしれません。
自分に訪れたこの変化を、「成熟」と捉えるか「退化」と捉えるか、考え出すと悩ましいですね。気が滅入るのでオススメはできませんが。