梅雨

空は厚い雲に覆われ、昼間なのに辺りはどんよりと暗く、晴れていればはっきりと見えている遠くの新緑の山も、今は霧がかかった向こう側にモノクロのシルエットが浮かぶのみです。
さきほどまでは雨が降っていました。アスファルトの道路は濃紺に色を変え、ところどころに水溜りができています。湿気を帯びた空気は、道ゆく人々に重くのしかかっているようです。歩道を歩く人々も、なんだか足取りが重いように見うけられます。雨を吸ったアスファルト特有の匂いを嗅ぎながら、気分は決して晴れやかではないことでしょう。

この時期特有の天気です。例によって梅雨前線が列島にかかっているのでしょうか。スッキリ晴れる日が珍しいくらいです。
人々のモチベーションの高低が日照時間と相関があるのであれば、この時期のそれはとても低いものとなっていることでしょう。
しかし、空模様は我々の普段の行いの良し悪しに関係なく日によって変わり、一年を通して大きく変化するものです。そんなものに都度モチベーションを左右されていたら、それはとても勿体ないことです。
ここは日本で、日本は世界では有数の四季がある国です。四季折々の変化を楽しまなければ、日本人として生まれた甲斐がないというものです。雨の匂いも、湿気を帯びた空気も、水溜りをふみつける感覚さえ、この時期特有の、他の季節では味わえないものとして楽しむべきではないでしょうか。こういったものを楽しむことこそ、「粋」というものではないのでしょうか。
長い人生、楽しんだもの勝ちなところは正直ありますからね。すべては自分の受け止め方次第であると言えるでしょう。梅雨だからって気持ちまでジメジメしてたら勿体無いですね。

なんてことを空調の効いた部屋の窓から外の道路を見下ろしながら考えていました。エアコンがないと生活しにくい時期になってきました。外に出る用事があったのですが、曇ってるくせに湿気だけは一丁前にあり、太陽が出ていないにも関わらずすぐに汗だくになってしまい大変不快でした。梅雨なんてはやく終わってしまえば良いのにと思いました。その後にやってくるのがほぼ確定しているメチャクチャ暑いであろう夏もさっさとやり過ごしたいです。秋とか春のような気候がずっと続けば良いのにと思います。

まだまだスッキリしない天気は続きそうですね。