森博嗣さんのエッセイを読んだ

森博嗣さんのエッセイで過去読んだことごあるのは、初期のWEB日記のシリーズをWEBで読んでいたのと、大学生の質問にズバズバ答えていくやつ(これもかなり初期の方だった)くらいです。小説にくらべたら全然読んでいません。
森博嗣さんのエッセイは、小説に負けず劣らずえげつないスピードで刊行され続けているようです。最近は新書と呼ばれているサイズの本も多くだされていますね。
読みたいなあと思いながら、どうしても小説に比べたら食指が動かずいたのですが、最近2冊ほど読みました。
『科学的とはどういう意味か』と『作家の収支』です。

どちらもタイトルそのまんまの内容ですね。当たり前か。
どちらもとても面白くて、比較的短期間で一気に読んでしまいました。

科学的とはどういう意味か

これはもう、理系の人間としてウンウン頷きながら読みました。一般論を書いておられるだけにも思えるのですが、一般論をここまで説得力ある文章で書けるって凄いです。科学的な(専門的な)例とか科学的な言い回しとかはほとんどないにもかかわらず、科学的とはどういう意味かを分かりやすく語っているように感じました。きっと理系の人間じゃなくてもウンウン頷きながら読むことができるのではないでしょうか。刊行されたのはもう8年も前です。今読むと昨今のコロナ感染症のことを思いながら読まざるを得ませんね。

作家の収支

森博嗣さんの過去の作品の売れ行きに関する考察になるのでしょうか。刊行し、売れ行きをみて、考察し、モデルを構築し、仮説をたてて、次のアクションを起こす、そしてまた売れ行きを確認し、…ということを軽くシレッとやっておられて、なかなか読み応えあります。シレッと書いておられるので大したことをやってないように読めてしまうのですが、冷静に考えてとても真似のできることではありません。ただ、考え方とか、問題に立ち向かうスタンスなどは真似たいと思わせてくれますね。
しかしまあ、夢のある内容だと思います。

両方ともとても読ませる内容です。着眼点が独特というのは大前提で、かつ、そこからの展開からうける印象は『圧倒的なロジカル感』です。そこにしっかりとしたロジックがあるから、読んでいるだけで心地よく、言い切られると説得力を半端なく感じるのです。
あんまり数を読んでいないので想像ですが、森博嗣さんの他のエッセイもきっと同じなのでしょう。これはもう、どんどん読んでいこうと思いました。