どこまでをAIに任せられる?

モノづくりで最近(というかずっと前から)の流行りといえば、「AI」が真っ先に挙げられます。これは、今まで人がやってきたことを機械にやらせましょう、そして人間はもっと難しいことをやりましょう、という思想があります。

機械学習とかディープラーニングとか、特徴抽出のテクノロジーは最近一段高みに上がった感があります。これらを駆使することで、人間のやっている作業を機械にやらせる、その範囲はかなり拡大したと思います。
ではその作業から人間を完全に排除できるかといえば、すんなりイエスと言えないことがあります。
人間って、決められた作業を行いながらも、目で見て耳で聞いて身体で知覚する、と言ったことを無意識でも行っています。「いつもと違う音がする」とか「いつもと違う匂いがする」とかです。この「いつもと違う」というのを自動化するのってどうしたら良いのでしょうかね。結局のところ、センシングアイテムとしては振動系、匂い計、マイク、くらいだとしても、実装する術は今はないのではと思います。

機械学習ディープラーニングでは、「いつもと違う」を発見させるのは無理ですよね。
「いつもと違う」ことを学習させる時点で、それはすでに「いつもと違う」ことではないですし。

教師なし学習」や「クラスタリング」といった技術をつきつめればあるいは、正常とそうでないもの、にわけることがでできるのでしょうか。
いずれにせよ、これができたら、モノづくりの現場は劇的にかわる気がします。
たとえば、マイクでひたすら日々の音を取得して、その結果がいつもと違うものだったら「ちがうよ」と機械が言ってくれるのです。

しかしまだそう言ったものが出来ていないのは、何かしらネックがあるのでしょう。需要はありそうですし。
技術的に不可能なことって何でしょうか。それとも、単純にハードウェアのスペックの問題もあるのかな。
(この辺り、真剣に取り組んでいるどこかのグループさん、ロードマップ的なものを作っていただけないでしょうか?)

生産現場でAIの導入がなかなか進まない背景にこれがあると思います。結局のところ人間って素晴らしい、というのは老害的に描かれますが、現実問題まだまだ代替えは無理だろうなあとおもうのです。